予選リーグ第4戦目。
この試合に負ければ予選敗退が決まってしまう大事な一戦で対戦したのは、フランス1部リーグのナンシー。
予選第4試合 NSC対ナンシー |
「絶対に負けられない!」と意気込んで臨んだ試合で、子供達は大きな成長を見せました。
ナンシーと同じぐらいのレベルであったバスティアと戦った前日の試合では、ほとんどボールを持たせてもらえずに圧倒的な「差」を感じさせられましたが、
この試合では、ゲームを支配されてはいたものの、随所でボールを繋いだり、相手のゴール前まで迫ったりというシーンがあり、最初の7分間(※今大会はハーフタイムなしの12分1本)は相手の攻撃を無失点に抑えていました。
しかし1点を失うと、そこからフィジカル、テクニック、全てにおいて勝るナンシーに圧倒され、終わってみると0-3の完敗。
今まで経験した事が無い高い技術に子供達も唖然…本当に良いチームでした。
予選リーグ最終戦は、ブルターニュ地方の強豪ランデルノーとの対戦。
今回の遠征には、いつもの遠征で子供達が着用しているNSCのユニフォームに加えて、NSC創設時に作った日本代表モデルのユニフォームも用意していました。
しかし、日本代表のユニフォームを着てプレーするということは、みんなが日本代表として見ますから、下手な試合はできません。
そこで子供達はコーチと「1勝したら日本代表ユニフォームを着て試合をしよう」と約束しました。
結局はこの最終戦までに勝利することはできず、本来ならばこのユニフォームは着れないはずでしたが、最後の試合ということで、日本代表のユニフォームを着て試合をすることが許されました。
その代わり、このユニフォームを着るからには恥ずかしい試合はできません。
試合前に、一人一人目標を決めて、「絶対に勝つぞ!」と気持ちを新たに最後の試合に挑みました。
ところが…相手チームと色の系統が被ってしまったために上からオレンジ色のビブスを着せられる羽目に(笑)
体格に差があり、序盤からフィジカルとスピードで圧倒されます。
しかし、子供たちは最後の力を振り絞り、スライディングなどの体を張ったプレーや、ボールを奪われても奪い返そうとする姿勢が随所に見られました。
1点決められても、2点決められても、子供達は諦めることなく必死に戦いました。
子供達の「戦う姿勢」は、今までの試合とは明らかに違いました。
試合は1‐3と敗戦となりましたが、子供達は精一杯力を出し切った様子。
負けた悔しさよりも充実度が勝ったようで、これまで毎試合負けて泣いていた子供達が、この試合では泣くことがありませんでした。
負けた悔しさよりも充実度が勝ったようで、これまで毎試合負けて泣いていた子供達が、この試合では泣くことがありませんでした。
その顔もどこかスッキリした様子で、「負けちゃったけど、なんか楽しかった!」と言う声がちらほら聞こえました。
まさにこれがサッカーの醍醐味。
サッカーの「本当の楽しさ」というものは、自分たちの出せる最大限の、精一杯の力を出し切った時に感じられるものなのです。
結局、予選リーグ5試合で1分け4敗の最下位で予選敗退が決まり、大会を終えました。
今回の遠征を通して感じたことは…
-何よりもまずは「気持ち」が大事なんだということ。
今大会では、失点すると気持ちが「諦めモード」に入ってしまい、そこからずるずると失点を重ねてしまいました。
1点決められたぐらいで諦めるようでは「男前」にはなれません。
1点決められても、2点3点取り返してやるという強い気持ちを持
最後の試合で見られた子供達の姿勢は、今後に向けて大きな糧になるだろうと思います。
-2つ目に「試合勘」の問題。
NSCは基本的には日曜日の練習しかなく、なかなか試合をする機会がありません。
そのために、いざ試合となると、上手く動けない子供が多かったように思います。
こればかりは子供にはどうすることもできない環境の問題ですから、我々コーチ陣もゲーム形式の練習を増やすなど工夫しながら対応しなければいけないなと感じました。
-最後に、技術的な差。
今大会では、フィジカル、スピード、体力、そして技術、あらゆる面で他のチームとの差がありました。
やはり日本人ですから欧米人より体格は小さいですし、フィジカルで劣ることは仕方ありません。
問題はそのハンデをどうやってカバーしていくのかということです。
香川選手ら欧州のトップリーグで活躍している日本人選手を見ればわかりますが、たとえ体が小さくても「技術」があればそれを補うことはできるはずです。
背を伸ばすために嫌いな牛乳を飲むことは苦痛かもしれませんが、
サッカーが上手くなるために練習に励むことは苦ではないでしょう。
NSCの練習は週に1回しかありません。だからこそ、1回1回の練習が非常に大事になってきます。
「もうあんな悔しい思いはしたくない」、「もっともっとサッカーがうまくなりたい」
そういう気持ちを持って毎回の練習に集中して取り組めば、来年こそはきっと勝利を掴むことができるのではないかと思います。
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